先日、J-WAVE午前中の番組(BOOM TOWN)を聞いていたら、リンカラン(心とからだにやさしい生活、スローライフを提案するおしゃれな?雑誌)の最新号紹介のコーナーで、「本日の紹介は、高知市薊野(アゾノと読む、地名)の「沢田マンション」です。と紹介された。高知のサグラダファミリア(聖家族教会、建築家ガウディが設計し、未だに建築中の建物)と呼ばれている、とのこと。
めった!
私が沢田マンションを知ったのは、もう20年も前のこと。近くに知り合いがいたのでその前を通り、いつも沢田マンションの横の雑貨屋さんの自販機で煙草と缶コーヒーを買っていた。
田んぼと山手の境の曲がりくねった狭い道の途中。その山は墓山で、江戸末期の「人斬り以蔵」の墓がある山。
ある日ふと沢田マンションのほうをみると、半地下になった場所に鉄格子があり、その中に、大きな機械があり、裸電球に照らされて、その機械は低いうなりをあげていた。「気持ち悪!」正直思った。あたりには建築資材が乱雑に積み上げられ、もし、誰かがここから出てきて私のほうに向かってきたら、私は一目散に逃げるだろう。そう思った。
私のまわりの者に聞くと、みんな沢田マンションを知っていた。「幽霊マンション」「違法建築」「気持ち悪い」誰もがネガティブにそのマンションの事を話した。
いつみても、柱からは鉄筋がつきだし、増築が続けられている建物。
「あれこそ、混沌、まさにカオスである。」当時建築の勉強をしていた走る建築士saitamakujira氏は、アジアの混沌、香港の「九龍城砦」を重ね合わせてそう言った、と、私は記憶する。
いつの間にか、誰もが「九龍城」と呼ぶようになった。
時代が下がり、私が勤めていた会社の社長がこのマンションに数ヶ月入居した。社長をマンションまで送った社員(このマンションを初めてみたらしい)が言った。「あれは、何?」「あれは有名ですよ。「九龍城」」そういうと、彼は言った。「違う、あれは、サティアンや」
折しも、あの宗教さわぎの頃である。社長が宗教家の本を読んで感動したらしい・・・という噂もかさなり、私たちの会社では、「サティアン」と呼ばれるようになった。
やがて、沢田マンションの前の田んぼは埋め立てられ、「北環状道路」と呼ばれる「高速道路高知インター」とのアクセス道ができ、かつての田んぼだらけの風景は一変。郊外型店舗ひしめくにぎやかな場所となった。
沢田マンションには、アーティスト?な人々が入居し、インターネットで紹介され、住民たちのHPが評判となり、本まで出され、「スローライフ」な建物として、前述のラジオで紹介されたりしている。
時代は変わる・・・あのころ、誰がこんな風に変わってゆくと思っただろう。あしゃあ、ようわからん(私は良く分らない)。めった!
めった!・・・困った、参ったの中間くらいの意味の土佐弁。「めっちゅう」と動詞的に使うこともある。ちなみに、saitamakujira氏の高知在住時代のあだ名は「めった!」らしい(笑)
「九龍場砦」(くーろんじょうとりで・きゅうりゅうじょうとりで)「サグラダファミリア」をよく知らない方は、検索してちょっとお勉強してみてください。どちらもかなりの感動を与えてくれます。
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